「モテないのは男性にモテる気がないだけ」の真実

モテない人がモテないのはモテるつもりがないのでは? と思ってます。

いささか、いえ、だいぶ過激な言い方をしてしまいました。モテない……と嘆く人がモテにかける時間とお金が、モテに全身全霊をかける人よりかなり少ないのではないか、という話です。

私もそうです。モテるつもりがない。だからモテません。でもそれでいいと思っている。美容にかけているコストは周囲の女性よりかなり少ないです。だから「ギリギリ清潔感はあるかな」くらいの外見でとどまっています。

モテない。だって美しくなるために投資したくないから

ただ、理不尽なことにこのコストは人によって大きく違います。清潔感を担保するまで月何万円も投資せねばならない人がいるいっぽう、すっぴん美人もいます。アンフェア。神様は不公平。

不公平な前提で、コストを割くかどうかの決断を迫られる。この最低な世界で、ギラギラしていくかそうしないか。それが、残念ながら私たちの現実です。

モテないのはコストを割かないから

私はサシ飲みをすると、(恋愛対象から外されて)男性のぶっちゃけトークを聞くことになります。そして、結構な割合の男性が「モテてぇ」をぶっちゃけます。

世の名の男子がそんなにモテたがりであることに私は驚かされます。だって、モテる気があるようにはとても思えないんだもの。

割と人とつるむのが好きでいろいろな人間に会ってきたほうだと思いますが、モテる努力をしていた人間がモテなかった事例は1つもありませんでした。

逆に「モテたい」と悲しくつぶやく男性は、明らかにお前が悪いだろう、と思わざるを得ませんでした。

でも、なぜ彼らは「モテたい」くせにあんなに必死で「モテなくなりそうな行動」を取るのか?単にモテない男性を罵倒するのではなく、理由を掘り下げたいなと思います。

モテない。でもセフレが欲しいAさん

  • そんな都合よくいくわけないでしょ

「セフレが欲しい」と相談してくる国立大学生(当時)がいました。仮にAさんとしましょう。結構真面目に考えているようで、3ヶ月に1回くらい相談してきます。

場所は恵比寿のこじゃれたカフェで、私が場所をセッティングしました。昔、彼にご飯のセッティングを依頼したら彼の大学の食堂(私の家からすごく遠い)を指定されて懲りたからです。

私「どんなセフレが欲しいの?」

Aさん「たいした条件じゃないんだよな。とりあえず尻がでかければいいよ。すごいブスとかでなければさ」

私「いないでもないし、メンタル病んでる子をかまってあげればできると思うよ」

Aさん「いや、メンタル病んでるやつはちょっとムリだなぁ。心が痛むもん。メンタルはまともだけど、針とか、踏まれたりとかのハードプレイに耐えられるような巨尻がいい」

私「……とりあえずその条件おいといて、どのくらいの顔ならいいの?」

Aくん「最低でも蒼井そら」

私「ぜったい無理

蒼井そらを舐めるな、中国では国民的アイドルなんだぞ……という話は置いておいて、Aさんは要するに自分が女性に尽くすのは面倒だから、適当に扱える女が欲しいだけでした。

モテる男性は女性に最低でも上っ面では親切だ

モテるために、女を大事にするなんてめんどくさい。

確かに女は……というより人との付き合いは面倒くさいでしょう。恋人なら相手の悪いところ、過去の重さも受け止めて一緒に歩んでいくもの。でも、Aさんはセフレならそれをしなくていいと思っています。

実際は大間違いで、セフレを持てる男というのは、女の子を受け止めるフリくらいちゃんとできるからモテるんです。

その子が「セフレでよかった!」と思うくらいにはマメに連絡をして、ドキドキさせる台詞を言える。複数の女性をお姫様扱いする努力があるからセフレを維持できる。

努力してセフレを手に入れている男を全く評価せず、何もしないでもそれなりの可愛い子が自分の好きに扱える存在として提供されるなんて、女は豚の餌じゃないんだぞこの豚野郎。と思いながら帰りました。

モテない?承認欲求に女を使いたいだけのBさん

  • なろうかな?勘違いはほどほどに

Bさんは一流メーカーの営業5年目で、年収・身長も高ければ性格もいいというすばらしい条件の持ち主。であるにも関わらず、彼はモテない。悲しいくらいモテないので飲むと私にクダを巻くことも。

私「モテたいって、どんな感じになりたいの?」

Bさん「電車で同じ通勤経路でずっと見てましたとか、店員さんに告白されるとかそういうのがいい」

私「(ありえないんですけど)それで告白されたら付き合いたいん、ですか」

Bさん「いや、なんかこう、グレーな感じでみんなに好かれつつ、付き合いたくないっていうか、いや彼女も欲しいんだけど、(彼女は家柄が)いいとこの子じゃないと」

私「えっと……その子たちに何をしてあげたいわけ?」

Bさん「何もしたくないよ~!何で俺が何かしてあげなきゃいけないの!ただ、彼女たちが俺との週末デートをめぐって喧嘩したりする光景を、俺は笑いながら見てたいんだよね」

このクズ。

帰りがけに告白されたけど「あ、私いい家の子じゃないんでっ☆」って残念そうな顔して帰りました。

Bさんのコンプレックスは自分の思う「ちやほやされたい」レベルまで褒められてないことであり、承認欲求の材料のためにモテという状態を作りたいだけ。

モテるためのおもしろツイートは「大衆への媚び」

こういう場合、承認されたいならTwitterで面白ツイートでもしてろよ……と思うのですが、こういう人ってTwitterでも「今日のご飯は天丼」みたいなつまらないツイートしかしない。

なぜかと言うと「黙っていてもちやほやされたい人間にとって、面白ツイートは大衆への媚び」だからです。

仕事では案外それがうまくいったりします。伝統的な日本企業だと「あいつは積極的には話さないが、いい仕事するやつなんだよな」と認められることもあります。

男女関係は違う。オーバーに自信をもってプレゼンしたほうが告白だって通ります。日本は恋愛文化のほうがよっぽど外資系企業的です。

さて、彼は結局、受身過ぎる承認欲求がこじれたころ、積極的に言い寄ってきたサークルクラッシャー(異性とのいざこざなどでコミュニティの人間関係を崩壊させるような人)に食われました。

承認欲求を埋めたいあまり、承認欲求のために男を利用するサークラに食われるとは、なんとも因果応報です。

モテない理由を用意して心を守るCさん

  • 理由なんて明白でしょうに

Cさんは、ため息のように「モテたい」と言う人でした。お酒に弱いのか1杯飲むと「モテたい」「モテたい」。しかし、彼がモテない理由は今までの人たちより明確でした。

ヨレヨレの服、整ってないヒゲ、ヤニっぽい歯。そう、彼は清潔感ナッシング。清潔感がないと男性は脚きりされます。

私「Cさんは素材がいいんだからちょっと美容院行って、服変えればすぐモテるよ!」

Cさん「いや、俺は見かけで男を判断する女は無理。っていうか俺スーツこだわってんだけど」

私「(スーツにこだわるなら洗濯にこだわってよ!)……じゃあ、Cくんはどんな子にモテたいの?」

Cさん「漠然とモテたいだけなんだ。本当のバリューを俺に見出してくれる子に」

私「私もオシャレではないから言いづらいけど、たとえば歯のクリーニングに行く、とか」

Cさん「いや、そういうことまでしたくないから。何だよ、所詮女は見た目しか見ないんだよな。マジでそういうとこがクソ。死ねばいいのにあいつらなんか」

目の前で女として死ねばいいのにと言われたので、そそくさ帰りました。

モテない理由を探したい、そうすれば楽になれる

Cさんは内面を理由に拒絶されることが怖すぎて、モテなくなる他の理由を探していました。

モテたい。けれど、努力した結果拒絶されたくない。だから、安易に拒絶されるような言い訳を作っておきたい。そこで、あえて女性が好感を持つような外見を放棄しています。

ひどい外見を気にしない人こそ、自分をほんとうに愛してくれるだろうというものです。でも、そんなひねた心を持つ人を愛する女性は少数派でしょう。結果Cくんはモテずに、お決まりの「どうせ女は外見なんだよトーク」が始まるのでした。

きっと彼らは「モテたい」を免罪符にしているだけ

  • ほんとのこと、隠したままでいいの?

というわけで、私の結論は「モテたいと言って努力しない人は、本音ではモテたくない」です。

モテたい、と言葉にしながら、本当の欲望は人を乱雑に扱ってみたいとか、承認欲求を満たしたいといった別の場所にあります。それがかなわない限りモテたくありませんし、その欲求さえ叶えば彼らのモテ欲は消えてしまうでしょう。

では、なぜこんなにもそろって「モテたい」と言うのか。それは「本当の欲望を隠したいから」です。

「モテたい」とつぶやいているうちは本当の欲望を話さなくて済みます。彼らだって社会性はありますから「俺って承認欲求が満たされてないから、何もしなくても女が寄ってくることで社会的ステータスを感じたいんだよね」じゃ、女性どころか人に軽蔑されるって判っています。

でも、そんな自分を変えるつもりはさらさらない。そんな彼らの免罪符が「モテたい」なのです。

「モテたい」だけでその努力が全く見られない男性は、モテたくはない、ただ「モテたい」と言い続ける地位に安住したい。そういう気持ちが見て取れました。

でも、いつかは「今のままではモテない」自分と向き合わねばなりません。彼らが本質的には一番恐れている「孤独」になりたくないならば。

 
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