結婚する・しないを選べる裕福な時代は終わった:2025年は「介護婚」

戦後、自由恋愛が浸透したのは1980年のバブル経済とも言われており、自由恋愛の歴史は意外と浅い。背景には『人間、結婚してやっと一人前』という文化や、男女賃金格差があり未婚で働き続けるメリットもなかったことがあるだろう。

1980年代に自由恋愛を経験した現40、50代から自由恋愛は普及し始め「自由恋愛が当たり前、お見合いはモテない人の最後の手段」というイメージを抱く人もまだ残っている。

周囲のアラサー女子を見ていても「20代でお見合いに行くのは、自分が売れ残りと言っているように見えて気になる」という相談を聞く。だからこそ結婚相談所の手前にある、マッチングアプリが大流行しているのだろう。

だが、そんな時代もあと数年。2025年には、マッチングアプリや、結婚相談所経由の結婚が2~3割を占める時代が来ると筆者は思っている。

ずっと続く文化なんて存在しない

    • 終わらないものなどないのだ

「いやいや、自由恋愛が簡単に消えるわけないじゃん」と思っている人は、ちらっと以下のリストを見て欲しい。

・iPod

・ブログ文化

・ロハス

・mixi

・B-BOY

・浜崎あゆみ

リストアップしたのは、2005年に「これからずっと続く」と信じられていたものの一例だ。

mixiは言わずもがな衰退を辿り、ロハスは今の小学生なら「なにそれ?」となるだろう。iPodはもうApple社の主力製品ではない。

逆に、今は主流のInstagram・TikTok・LINE・食べログのようなサービスは当時存在しないか、日本で浸透していなかった。人とソーシャルに関わるツールは、ブログかmixiだったのだ。

「これからずっと続く」文化なんてないのである。一夫一妻制度すら、日本では比較的新しいくらいなのだから。

恋愛結婚の終わりはすぐそこまで来ている

ではなぜ、あと数年で恋愛結婚が大幅に減少するのか。答えは人口ピラミッドを見てほしい。

これはよく高齢化社会を表すときに使われるもので、2017年に発表された2020年の人口ピラミッド予測。注目は70代の部分だ。人口が男女ともに著しく上がっている。団塊の世代と呼ばれる、ベビーブームの時期に生まれた人たちである。

次に、2025年の予測を見て欲しい。

 

70代の人口が、そのまま80代にスライドしていることがわかる。厚労省によると、出生した人が75歳まで生きる確率は男性で75.3%、女性で88.1%

約8割は、75歳の時点で生きていることになる。この何が問題かというと、75歳は初めて要介護になる平均年齢層なのだ。とんでもない人口(806万人!)が、介護の扉を叩く年が2025年なのである。

稼ぐか、逃げるか、二人で支えるか

  • 誰しも決断のときは来るもの

高齢化社会の課題は介護費・医療費負担になる。

2025年には「自分で自分のケアができない高齢者」が数百万人単位で生まれることになる。その結果、高齢者の家族、特に子どもが影響を受ける。

団塊世代の子どもたちは今の40代。これ以降の世代は、約5年間の介護と、両親の介護費500万円を負担せねばならない。しかも、葬儀代は別で。

とてもではないが1人で両親を看るのは限界がある。そこで、介護のためには兄弟を頼るか、結婚せねばならなくなる。

今までも、50代以上の世代で「介護のために結婚せねばならない」という事例はあった。だが、2025年はそれが今までと比較にならない規模で押し寄せてくる。

はっきり言って、自由に結婚する・しないを選べる裕福な時代は終わった。

もし恋愛結婚を望むなら、カタをつけるのは早い時期のほうがよさそうだ。

4年後には「結婚しない」ことが経済的負担となる時代が待っている。今までは「自分の介護費用」だけ心配すればよかった若者も、これからは「親の介護費用・労働」をセットで考えねばならない。

 

稼ぐか、逃げるか、2人で支えるか。究極の3択は、そこまで迫っている。

 
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